和食に欠かせない 「時知らず」の知恵
~季節を問わず手に入る食材で、毎日の献立がもっとラクに!~
和食や精進料理では季節を問わず手に入る食材を「時知らず」と呼んでいます。
旬の食材をいただく華やかな喜びとは違った、また別のしずかな味、地味だけど滋味たっぷりな「時知らず」の魅力をお伝えします。
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「時知らず」って何? 和食に欠かせない役割を持つ食材
時知らずとは
どんな食べ物も元をたどれば命をもって生まれてきています。
生まれる時期や季節によって本来なら旬があるのですが、先人の知恵と工夫で旬以外の時でも食べることが出来るように加工された食材が「時知らず」
干し野菜や漬物など、時を超えて美味しくいただけるなんて、まるでタイムマシンのようです。
さらに、季節を問わないというだけでなく、元の食材にはない凝縮された旨味や風味があり、栄養価も増しています。
代表的なものに乾物があります。
昆布 干し椎茸 切り干し大根 かんぴょう わかめ 煮干し 豆類 など
乾物以外では塩漬けや発酵食品、豆腐などの大豆加工食品、缶詰や佃煮、こんにゃくなど。
これらの食品をその季節にしか食べられない「旬の食材」と2本立てで考えると、献立がたてやすくなります。
「時知らず」があると献立作りがラクになる理由
忙しい朝のお弁当作りや、時間がない日の夕食準備でも、手軽に使える食材があるととても助かります。
「今晩何にしよう・・・」「明日のお弁当も考えなくちゃなあ」
毎日毎日、こんなつぶやきが頭の中を巡っていませんか?
実は料理で最初につまづくのは、この「何を作るか考える時間」なのです。
主菜は比較的決めやすいのですね。
問題は「副菜」
そして、何を作るか決まったとしても、次に立ちはだかるのは「下ごしらえにかかる時間」。
一から買い求め、洗い、切り・・・となると調理の負担は何倍にもなってしまいます。
でもそこに! 乾物や加工食品などの「時知らず」な食材があればその手間をグッと減らせます。
例えば、お豆腐があれば好みのたれをたらりとたらすだけで美味しい一皿ができます。
最近は製法とパッケージの開発で長期常温保存できるお豆腐もあります。
高野豆腐なら常温でなお長期保存でき、煮物がほしい時、煮汁に入れるだけでほっこり美味しい副菜ができます。
切り干し大根や干し野菜があれば、汁物の具にも悩まない。
こんにゃくも強い味方です。
他の食材にはない食感は単品でも存在感のある立派なおかずになりますね。
あと1品増やしたいけど、何を作ろう…?」そんな時、「時知らず」の食材が活躍します。
たとえば、カットわかめは水戻ししなくてもすぐに味噌汁や酢の物に使えますし、
高野豆腐やこんにゃくは、シンプルに煮たり焼いたりするだけで副菜として十分な存在感に。
「乾物のピクルス」は、作り置きしておけばお酢の力で日持ちもよく、食卓に彩りを添える一品になります。
「時知らず」という食材があることを知り、活用すれば、少しの工夫でバランスの取れた献立を簡単に完成させることができるのです。
時知らずは常温保存できるものが多く、賞味期限も長いものもあり、買い置きが出来る。
これがほんとに助かるのですね! 「あと1品」と言う時に買いに走らなくても済んでしまいます。
あるもので賄えた時の達成感も良いものです。
時知らずを活用し、あとは旬のフレッシュなお野菜の一皿があれば立派な一汁三菜の出来上がりです。
便利と時短だけじゃない時知らずの魅力
だしの力
和食は季節感を大切にし、見た目のいろどりも繊細でとても美しいものです。
でもその土台を支えているのは目には見えない「だし」の力。
白飯を除いてほぼすべての和食はこの目に見えない力に支えられています。
全ての食材から「旨味、だし」はとれますが、中でも昆布や椎茸は代表格。
これらの「出汁素材」も乾物が多く、時知らずの食材です。
和食の基本となる「うまみ」をしっかりと引き出すには、昆布や干し椎茸などの天然のだし素材を常備しておくのがコツ。出汁をとるのは難しいと思われがちですが、和食の出汁食材は超簡単!
昆布水を作っておけば、汁物や煮物の味がぐっと深まり、シンプルな料理でも満足感のある味わいになります。
昆布水を常備するようになって、私は味付けに迷いがなくなりました。\(^o^)/
だしをとった後の昆布や椎茸も無駄にせず、細かく刻んで佃煮にすれば、旨味たっぷり食物繊維たっぷりの一品を増やすこともできます。
高い栄養価
乾物は、水分が抜けることで栄養がギュッと凝縮されているのが特徴です。
高野豆腐はカルシウムやタンパク質が豊富で、成長期の子どもや健康を気にする大人にもぴったり。
干し椎茸はビタミンDが豊富で、骨の健康をサポート。
加工食品のこんにゃくも、低カロリーながら食物繊維がたっぷりで、お腹の調子を整えてくれます。
「時知らず」を取り入れることで、手軽に栄養価の高い食事を作ることができます。
次章では和食の知恵が詰まった時知らずの、ちょっといつもと違うレシピをご紹介します。
「時知らず」を使ったおすすめレシピ
高野豆腐の白煮
「高野豆腐の煮物なんて目新しくもなんともないじゃない」と言われそうですが、これを初めて口にした時は今までの高野豆腐の煮物の概念がガラガラと崩れました。
お寺のレシピです。
誰も知らなかった高野豆腐の煮物???
こんなシンプルな味付けで、「こんなの、今まで食べたことなぁ~い」って思ってしまいます。

材料
・高野豆腐 2枚
・水 2カップ
・砂糖 大さじ2
・塩 小さじ1
- 高野豆腐は戻し、何度か水を替えてにごりをとります。
- 6等分くらいの大きさに切ります。
- 水カップ2(400㏄)、砂糖大さじ2(18g)、塩小さじ1(5~6g)を鍋に入れて煮立てます。
- 高野豆腐をいれ煮立ったら弱火、蓋をしてゆっくりやさしく20分とちょっと煮ます。
- 豆腐の角がとれてきて、表面がつややかになったら出来上がり。
熱々もおいしい。
冷ますときはバットなどに形よく並べ、煮汁を注ぎ味を含ませます。
お口の中でとろけますヨ
ポイント:
・20分は炊いてください。静かにやさしく煮込むことで絶品の舌触りになります。
・ゆめゆめ、醤油や出汁を加えたりしないでくださいね。
ふくよかな高野豆腐ほんらいの味の奥深さを、味わってください。
応用:汁気を軽くきって、揚げ出しにしても
にんにく香るこんにゃくのきんぴら
100円、時には50円で買えるこんにゃく。
昨今の物価高にはありがたい食材です。
普段はもちろん、非常時にもお腹の調子を整えてくれる心強い食材。
安価で季節を問わずに買えて、低カロリーなのにボリュームあり、なにより美味しい。

作りやすい分量(こんにゃく1枚)と作り方
・こんにゃくを8mm前後の厚みにスライスします。
・スライスしたこんにゃくの中央に切れ目を入れて、切れ目にこんにゃくの端をくぐらせるとくるんとねじれます。綱のような形状になり、手綱こんにゃく呼ばれます。
・沸騰した湯に入れて茹で、形状を保ちます。
・お好みのオイルをフライパンに入れ、スライスしたニンニク(一片分)、鷹の爪(種を抜いたもの1本)等お好きなものと一緒に炒めます。
味付けもお好みで。今回は濃い口醤油(大匙1くらい)とみりん(醤油と同量)を使いました。
ちょっと美味しい塩を使った、塩きんぴらも美味しいですよ。
干し野菜のピクルス
節分に食べるだけじゃもったいない!煎り豆入り干し野菜のピクルス

- 煎り大豆 干し野菜いろいろ
- 昆布水300cc 酢50cc 砂糖大匙2 塩小さじ2
お好みのスパイス - ピクルス液を温めて砂糖が溶けたら干し野菜と煎り大豆をいれます
- 3時間ほどで出来上がり。カリカリぽりぽり止まらない
乾物は水で戻さず、そのままピクルス液につけるとぎゅっと味が浸み込みます。
漬け汁には干し野菜の旨味が溶け出しています、ドレッシングなどに使ってくださいね。
簡単! 胡麻豆腐
ねりごまも開封前なら常温で保存ができ、たれやドレッシングの味を数段アップしてくれる食品です。
市販のねりごまを使って手作りごま豆腐が簡単に出来てしまいます。

作りやすい分量
・ねりごま 50g (金ごま 白ごま 黒ごま お好みのものを)
・葛粉(できれば本葛)50g
・水 350cc
・塩 ひとつまみ(1gくらい)
ねりごま1:葛粉1:水7 の割合です。
上記の分量で出来上がり400gくらい。市販の小さな四角い商品は1つ80gくらいです。
作り方
・材料をすべて鍋に入れ木べらなどでよくかき混ぜます。
・葛はすぐに溶けます。ねりごまは油分があるのでよく混ざらなくても大丈夫。
・弱火で火にかけ、最初はシャバシャバですが徐々にもったりしてきます。
(高野山のお坊さんのように力を入れなくても大丈夫!)
・一定のスピードで一方向に練っていきます。時々鍋の向きを変えて練り残しがないようにします。
・3分~5分でポタっと落ちるくらいになればOKですが、艶やかに仕上げるには10分~20分練りこむと、なめらかで濃厚な胡麻豆腐ができます。
・水で濡らした流し缶や容器に入れ、トントン底をたたいたり表面を水で濡らしたへらなどで滑らかにします。
・粗熱が取れたら表面をラップで覆い、容器を冷水に漬けて冷やします。
・冬場は15分~20分で固まります。
身近な食材のごま製品。
ちょっと和食の知恵を借りるだけでおしゃれな一品ができ、手土産にすればあっと驚かれること間違いなし!
だし昆布と干し椎茸のすりながし
和食には「すり流し」という汁物があります。
食材を丁寧にすり鉢で擦りなめらかにしていただくレシピです。
これ、ポタージュですよね。
バターで炒めなくても美味しいポタージュができる和食のレシピ “すり流し”。
ミキサーで簡単に作ってぜひ毎日の食卓に和風ポタージュをぜひ取り入れてみてください。

作りやすい分量(2~3人分)と作り方
・干し椎茸15g(小2~3枚 大きいものなら2枚くらい)(2人前)に水250㏄を加え冷蔵庫で一晩戻します。
・出汁昆布5gくらいを漬かるくらいの水で戻しておきます。
・白ネギ(80~100gくらい)を薄切りにします。
・戻した椎茸と昆布を適当な大きさに切り、椎茸と昆布の戻し汁を加え、白ネギも加え柔らかくなるまで煮ます。
・柔らかく煮えたらミキサーで滑らかにします。
・鍋に戻し、塩コショウで味を調え、好みで生クリーム(適量)を加えます。
具材は炒めずにことこと煮るだけです。
バターやオイルを使わないのでカロリーも抑えられ、何より後片付けが楽\(^o^)/
洗いのもがササっと済んでしまいます。
物足りなければ器によそってから生クリームやオリーブオイルをひと垂らしして下さいね。
料理教室で生徒さんの「おかわり!」が続出したレシピです。
「時知らず」を活かす和食の知恵
時知らず」を上手に活用すると、日々の献立がぐっと楽になります。
ポイント① 常備する
時知らずの食材にはどんなものがあるか、少しづつでも慣れ親しみ、常備しておくこと。
いつも我が家にある安心食材の種類が増えていくと、パパっと美味しい一皿があっと言う間にできてしまいます。
ポイント② 旬の食材と掛け合わせる
また、単品をシンプルに調理するのも美味しいものですが、
「旬の食材 × 時知らず」で栄養バランスの良い献立を作ることができます。
例えば、春には菜の花と高野豆腐の煮びたし、夏には昆布と押しきゅうりの酢の物、秋には切り干し大根ときのこの炊き込みご飯、冬には干し椎茸と薄揚げ入り具沢山のおなますなど。
旬の食材が持つみずみずしさと、「時知らず」の凝縮された旨みを組み合わせることで、和食ならではの四季の味わいを楽しむことができます。
ポイント③ 忙しい日や非常時の味方にする
忙しい日や、災害などの非常時にも「時知らず」は大活躍します。
乾物や加工食品は保存が効き、下ごしらえや調理が簡単にできるものが多く、いざというときの食料としても重宝します。
普段の時短料理で使い慣れておくと知らず知らずの内に非常時に備える力がついてきます。
保存が効くからこそ計画的に使えば食品ロスの削減にもつながります。
日々の食事作りをもっと気軽に、そして美味しくするために、「時知らず」の食材を取り入れてみませんか?
食材を上手に使いこなせるようになれば、和食の知恵を活かした豊かな食卓が実現します。
今日から、あなたのキッチンにも「時知らず」を取り入れてみてください!
以下は開講講座のご案内です
食生活改善講座
料理に苦手意識があるけれど、家族のために、自分のために、毎日の食卓を心豊かなものにしたい、そう思っている方々に向けての食生活改善講座です。
和食の知恵に基づいて、食材選びから効率の良い段取り、献立、味付け、調味料、乾物や精進料理の技も取り入れて6ヶ月のオンラインマンツーマン講座です。ご家庭のお悩みに沿っての完全プライベートレッスンです。
精神科デイケアで14年に渡り利用者さんと共に食事作りに携わりました。
様々な不調が食事で改善されていくことに驚き、 食事だけではなく買い物、調理や食卓も共にすることで、心にも栄養が行きわたることを実感。閉所に伴い退職しましたが、食事が持つ心身への大きな力を伝えたい思いで講座の開設に至りました。
受講後は現在だけでなく、子ども達の未来へ手渡せる食生活が遅れるようになります。
防災食講座
もしもの時はいつもの日常の中に潜んでいる、そんな思いがますます強まる昨今です。
でもどう備えればよいのかわからない。
備えの一つとして当講座は
一度で身に付くポリ袋湯煎調理と包丁要らずのCooking
~毎日の食卓から未来の安心を作り出す乾物防災食講座~
を提案しています。
ガスも電気も使えない、貴重な水はわずか、そんな時でも家族の食を守り命を明日へつなぐことができる食事の作り方です。
一度体験するだけで身に付き、すぐに誰かに伝えたくなる方法です。
なぜなら非常時だけでなく、その簡単さから普段の調理に大いに活かせる調理法だからです。
個人でもグループでも、事業所様、自治体様へも出張レッスン致します。
遠方はオンライン受講も可能です。
自家製干し野菜講座
自分で作る干し野菜、興味があるし、簡単だと聞くけれど、いざ始めるとなると何から手をつけていいのかわからない、そんなお声に応えます!
誰でもどこでもできて楽しく、メリットがいっぱい。
今、目の前に大根とスライサーがあればすぐに始めることができ、それだけで知らず知らずのうちに今の社会が抱える大きな問題、食品ロス削減や世界の食糧問題にも貢献できてしまう。
そんな自家製干し野菜作り、始めてみましょう。
個人レッスンからグループ、事業所様、自治体様へ出張レッスン致します。
遠方はオンライン受講可のです。
乾物レシピ お寺のレシピ講座
今、和食が注目を浴びていますね。
この講座は何百年の伝統をもつ寺院に伝わった精進料理の知恵をお伝えする講座です。
精進料理は難しいものではなく、究極のシンプル料理と言えるでしょう。
素材の持ち味を大切にしたシンプルな調理法を学ぶと、毎日の食事作りが簡単になり、より健康な食卓作りが実現します。
また乾物は精進料理と縁が深く、そのパワーは未来の食卓に人々を繋げるパワーを秘めています。
食品ロス削減、食料危機が叫ばれる中、乾物使いの技を身に付けて日々の食卓の土台をつくりましょう。
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