和食の知恵 節分の豆、撒いた後に食べるだけ? 福豆の活用法 目から鱗のカンタン煎り豆レシピ
\今年2025年の節分は2月2日/
今年は1日早く福がやって来る!なんだかソワソワしてしまいます。(^^♪

節分の豆まき、クリスマスやお正月に匹敵するくらい家族と楽しめる行事ですね。
我が家は父ちゃんとタマ君と少人数家族で、毎年豆まきを楽しんでいます。
ちなみに一昨年1000人を対象とした調査では「豆まきをする予定の人」は59.9%、「しない予定の人」は40.1%だそうです。
もっと少ないかと思っていたので、なんだかホッとしました。
この記事では節分にまつわる豆知識と福豆を使った簡単レシピ、行事食から学ぶ和食の知恵をお伝えします。
目次
節分の煎り豆、ただ撒くだけではもったいない!
米国出身の父ちゃんは、この日本の行事をえらく気に入ってしまって「豆まきいつですか?」「いくつ食べますか」と毎年ほぼ同じ質問。 まあ、毎年変わるわな。(;^_^A
結婚した当初は、「なぜビーンズを撒くの? なぜソイビーンズなの?」と聞かれました。
「ラッキーを呼び込むんや、ライスシャワーの豆版や」と適当に答えていましたが。💦
節分の由来
「節分」その名の通り季節を分ける日。
季節の変わり目は寒暖の差が大きく体調を崩しやすいもの。
節分の行事はこの季節の分かれ目に起きやすい病気や災害を「鬼」に見立てて、その厄を追い払う儀式ですね。
その昔、飢饉や災害大病などの厄を祓う儀式「追儺」(ついな)(難を追い払う)が中国で行われていました。
それが日本に伝わり、平安時代には宮中で鬼払いの行事として大晦日に行われるようになったということです。
ではなぜ豆をまくのかしら?
鬼は豆が苦手なようです。 なぜなら、豆には “まめ=魔を滅する” 力があるからだとか。
洒落ですかと思いましたが、実は大豆である深い理由があるのです。
諸説あるようで
・豆には精霊が宿る
・中国の医学書に「大豆は鬼毒を殺し、痛みを止める」と書かれている、など
大豆は「畑の肉」と呼ばれるほどたんぱく質が多く含まれています。
たんぱく質は皮膚や筋肉、内臓など体を作るだけでなく、感染症などから体を守る免疫機能に欠かせない「抗体」の成分としてもとっても大切な栄養素。
また、活動のエネルギー源となる脂質も含まれています。
節分の頃はもっとも寒さが厳しい時期。
この時期に大豆を食べて感染症などを防いで健康を守るとともに、冬を乗り越えるためのエネルギーを蓄える力を持っているのですね。(参考 農林水産省 等)
食品分析などなかった昔なのに、人々は息災で生き延びるために貴重な智慧を身に付けていたのですね。
行事や行事食に秘められた昔の人々の知恵の深さに驚くばかりです。
福豆はスーパーフード 節分に食べるだけではもったいない
節分の福豆、この時期にたくさんスーパーの売り場に積まれ、日持ちがする乾物なのに季節を感じさせる
「旬」の食材。
で、その「旬」つまり節分の当日を過ぎると、これがウンとお安くなるのですね!! \(^o^)/
それを狙って毎年買い込んでいます。
なぜって、この福豆、と~ってもありがたいのですよ!
・お安く買える、どこでも買える、誰でも買える、でも節分の時期が買い時。
・何より美味しい、たんぱく質が手軽に摂れる。主菜、副菜、おやつに大活躍。
・乾物なので日持ちがする。もしもの時にも加熱することなく、たんぱく質を摂れるとても心強い食材。
「撒いた後、年の数だけ食べるだけ」なんてもったいなぁ~い。
驚くほど栄養が詰まった食材で、調理も簡単。
しかも乾物だから保存も効き、いざという時の頼れるストック素材としても重宝します。
忙しい現代の家庭料理にぴったりの「隠れた便利アイテム」なのです。
煎り豆の栄養と手軽さを知れば「節分だけの豆」なんてもったいない!と思うはずです。
次の章では、そんな煎り豆を使った簡単で美味しいレシピをご紹介します。
ほうじ茶香る奈良茶飯

節分の福豆はそのままポリポリ食べちゃいますね。
煎ってある、つまり火が通っているので食べることができる。
豆料理、特に大豆を使った煮豆など、前日から戻して時間をかけて茹でて…、と結構手間がかかります。
でも煎り豆はそんな手間が一切必要なし。
そのまま食べられるのはもちろんのこと、加熱調理しても短時間で柔らかくなります。
乾物だからと言って戻す必要もありません。
作りたい料理にそのまま加えるだけ!
昔から伝わる郷土料理にもそんなレシピがありました。
”奈良茶飯”
煎った豆の香ばしさと焙じた茶葉の香りがダブルで楽しめる、なんとも味わい深い炊き込みご飯です。
奈良茶飯
少量の米に炒った大豆や小豆、焼いた栗、粟など保存の利く穀物や季節の野菜を加え、塩や醤油で味付けした煎茶やほうじ茶で炊き込んだもので、しじみの味噌汁が付くこともある。
元来は奈良の興福寺や東大寺などの僧坊において寺領から納められる、当時としては貴重な茶を用いて食べていたのが始まりとされる。東大寺のお水取りの練行衆の献立に、茶粥と共に「ゲチャ」と呼ばれるものが登場するが、これが茶飯の原点と考えられている。しかし、庶民の間には広く普及しなかった。茶飯を気に入った旅人が江戸に持ち帰り、その後、浅草寺付近に奈良茶飯の店が多くでき、「奈良茶」の目印を出して集客した。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも登場したことで有名になる。茶飯は米と大豆からなるバランスのとれた栄養食であり、腹持ちも良かったため、その後、全国各地で広く知られるようになった。明治以降に、再び奈良で広まりはじめた[1]。
農林水産省 Wikipedia
なるほど! わざわざ”奈良”と名前についているのは関東で人気を博すためのネーミングだったのですね。
そういえば大阪人が云う、”関東炊き(かんとだき)”の名前の成り立ちとにているなあ。
「彼の地の○○」とすることで遠く離れた土地へのあこがれや想いが伝わってくる。
今で言う、「ミラノ風○○」
人に伝わる言葉のセンス、人々は遥か昔から持っていたのですね。
材料と作り方

- 米1合の場合
- 煎り大豆 20gくらい
- 塩 二つまみ 2gくらい
- 茶葉も2gくらい

冷凍庫の底で忘れられていた茎茶を焙じて、
1合の米を炊くのに必要なほうじ茶をつくりました。
ティーバッグのほうじ茶を使えば簡単!
でも飲まないで日が経ってしまった茶葉があれば、ぜひ焙じてみて下さい。
フライパンで少し色が変わる煎ると、ほうじ茶の良い香りが部屋中に立ち込めてきます。
焙じたての香りはまた特別、熱い出来立てのほうじ茶をいただきました。
簡単にできますので是非作って見てください。
茶飯の作り方はとても簡単シンプル。
浸水したお米に煎り大豆、ほうじ茶、塩を加えて炊くだけです。\(^o^)/

ほうじ茶の香りに包まれながらいただく茶飯は煎り豆の香ばしさが加わって格別でした。

トッピングに入り胡麻、なんでも受け入れてくれる懐深いお味噌汁にワカメやキノコ、芋など。
主菜がほしい時は豆腐や干物など。
副菜に発酵食品のお漬物があるとほぼ完ぺきの「まごわやさしい」献立の出来上がりです。
※「まごわやさしい」医学博士の吉村裕之氏が提唱するバランス良い食事の覚え方。
1日1回は摂取したい7つの食材の頭文字をつなげたもの。
ま 豆・豆製品 ご ごま わ ワカメ海藻 や 野菜 さ 魚・タンパク質
し しいたけ い 芋
他の炒り豆の簡単レシピ
煎り豆のサラダ


煎り豆をヨーグルトに漬けて冷蔵庫で一晩。ヨーグルトの水分を煎り豆が吸収して濃厚ヨーグルトに、煎り豆はヨーグルトの旨味をたっぷり含んでふっくらお豆に。福豆があまったらとりあえずヨーグルトで戻してみて下さい。新感覚、マヨいらずで絶品豆サラダができます。
ビーンズカレー


作り置きの合い挽き肉のそぼろと煎り豆を一緒に煮て、カレー粉とあればお好きなスパイスで作ったほぼインスタントなカレーです。
ピクルス

干し野菜のピクルス
干し野菜でなくてもお野菜のピクルスに少し煎り豆を加えると素敵なアクセントに。
(出典 DRYandPEACE 山と渓谷社 「乾物マジックレシピ」)
節分の福豆から広がる家族の健康と幸せ
節分が過ぎても煎り豆があれば一年中福をいただくことができます。
乾物の良さですね。
旬のお野菜や食材も乾物にすれば、時間を超えて私たちの健康を支えてくれます。
軽くなるので大根10本でも片手でどこへでも運べてしまう、空間も超えることができます。
調理が超簡単、栄養たっぷり。
現代の日々の家庭料理に是非取り入れたい豆の栄養です。
特に煎り豆は調理の必要がなくそのまま食べられる食材として、もしもの時の栄養源としてとても心強い。

行事食や郷土料理を家庭で楽しめると、家族に「季節感」や「文化のつながり」が生まれます。
家族で楽しむ経験が積み重なると、子どもたちにとって豊かな思い出となり、延いては子どもたちの次の世代にも引き継がれると思うのです。
連綿と引き継がれてきた行事、行事食、郷土色には和食の知恵がぎゅっと詰まっています。
和食に秘められた数々の知恵、ちょっと大袈裟ですが、それが日本の世界の未来の食卓を作ることにつながると思います。
煎り豆、ぜひ普段使いして見てくださいね。
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家族一人一人の好みを満たしながら、お互いに思い遣る心が育ち、味覚の広がりや成長に繋げることができます。
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