干し野菜講座を兵庫県三田市で開催しました

自家製干し野菜を作る方法をお伝えする特別講座を兵庫県三田市にて開催しました。
高齢の方々のお買い物支援など地域に根ざして活動するボランティアグループ様のご依頼です。

「野菜を仕入れて皆さんの住まいに近い場所で青空市場を開催しているのですが、売れ残ってしまうことがあり、これを乾燥野菜にしてアップサイクルできないかと思っているのです。」

お野菜はそのままでは萎びてしまい、破棄されることにつながりかねません。
でも乾燥野菜にすれば新たな価値が生まれ食品ロス削減にも貢献できる!

「でも野菜の干し方を教える講座は近辺で中々見つからなくて…」とおっしゃり、
「いえいえ大丈夫です。大阪じゃなくても馳せ参じます!」と大阪河内長野市から兵庫県三田市まで片道2時間、車窓から美しい山や谷の風景を楽しみながら行って参りました。

花と緑と水、豊かな自然に恵まれた兵庫県三田市。南部には成熟期を迎えるニュータウンの美しい都市空間、北部には昔ながらの里山の暮らしもあり、日本の原風景が広がっています。また市街地に垣間見る情緒ある街並みは、かつての城下町の歴史を語ります。長い年月を経て紡ぎ出された、そんな様々な土地の色合いが混ざり合って三田の街のまちの豊かさを育んでいます。

一般社団法人 三田市観光協会

開催した講座は自家製干し野菜の作り方とその魅力を深く掘り下げ、参加者の皆様には実際に干し野菜を作るプロセスを体験していただきました。

ご依頼者のグループの方々が三田産の地野菜を含め新鮮なお野菜を準備してくださり、
新鮮な野菜を使うことで、栄養価も高く、市販の干し野菜とは一味も二味も違う滋味深い干し野菜ができることをお伝えし、自らの手で美味しく健康的な保存食を作る喜び、楽しさを実感していただきました。

この記事では自家製干し野菜講座の内容と実際の流れを、三田市での講座を例にしてお伝えします。

干すお野菜の種類を決めるのに大事なこと

ご依頼いただいたのは昨年の夏の初めころでした。
助成金の申請が通れば開催は11月頃になるとのこと。

11月!! \(^o^)/
秋から冬にかけては空気が最も乾燥して晴れた日が続くことも多い、干し野菜作りにはぴったりの季節です。

早速どのような野菜を干すか、打ち合わせが始まりました。

ご依頼者様からは、
・実際に売れ残ることが多い野菜
・売れ残ったら傷みやすい野菜
・季節に合った野菜
・干すことができるのか興味があり試してみたい野菜
に分けて候補のお野菜が提示されました。

素晴らしいですね!

双方で検討を重ねた結果、
・11月の収穫で売れ残ることがあり、干すのに適したお野菜
   大根 人参
・売れ残ると傷みやすいもの  
   レタス きゅうり  なす
・破棄が多いもの 
   長ネギ  玉ねぎ 
・干してみたい希望大
   じゃがいも さつま芋 かぼちゃ
・季節のフルーツで希望大
   渋柿 りんご ばなな
・実際に講座では実践しませんがご希望で番外として干し方をお伝えするもの
   しいたけ プチトマト
以上15種類のお野菜フルーツが決まりました!

干し野菜講座といってもそれぞれ目的が違い、一般のご家庭であればご家族の好みもあります。
基本の大根や人参は候補に入れますが、あとは個々のご希望に応じて、季節に応じて干すお野菜の種類をご相談の上決めていきます。

また、ご相談中は質問し放題。
小さな疑問、不安に思うこと、干し野菜に関するどんなご質問にもお答えいたします。

講座を待たずに早速干し野菜の実際を見ていただきます

今回の講座ではお申し込みから実施日までゆとりがありましたので、講座を待つまでもなく、干し野菜の実際をSNSの投稿を通してみていただきました。

Facebookページに投降した干し野菜の写真

Facebookでは、単に干し方だけでなく、お野菜を干すプロセスを楽しむコツや、干し上がったお野菜を使用した調理例などを発信しています。
干した野菜は味が濃縮され栄養価も高く、保存性にも優れ様々な料理に役立つだけでなく、もしもの時の非常食としても大きな力を持っています。
是非Facebookページをチェックして、干し野菜で食卓を豊かにするヒントを見つけてください。

「思っていたよりいろんなことができそうですね!楽しみが広がりました」とお声をいただきました。

投稿を見て実践された場合は写真をお送りいただき、ちょっとしたコツ、工夫、
生じた疑問にもお答えいたします。

自家製干し野菜講座の日程と時間

通常は2日間コースで開講しています。

1回目は野菜を切って干す。
2回目、約10日~2週間後、干し上がったお野菜を使って調理をします。

1回の講座の所要時間はご参加の人数によりますが約2時間前後です。

準備する野菜の量と道具 場所

お野菜の種類が決まりましたので、次はどれくらい準備すればよいかを割り出しました。
これは参加人数に応じて決めます。

ご試食程度か、昼食として食べていただくかによって大体の量を決めました。

今回は実働していただけるボランティアグループの方々が10人、
市民の一般参加の方々が10人。

「試食程度の量で」ということで当方でメニューを考え必要なお野菜の量を割り出しました。

決めたメニューの1例 炊き込みご飯
決めたメニューの一例 けんちん汁

必要な道具もお伝えし、グループの方々が分担や進行の段取りを決めてくださいました。

干すお野菜はご準備下さい。
お野菜の準備が難しければお気軽にご相談ください。
・使う道具は特別なものは必要なく、まな板 包丁 スライサー きんぴらピーラー ザルなど

 ご家庭にあるもので十分です。使い慣れたものをご準備下さい。
調理台代わりになるテーブルがあると助かります。
多人数の場合は市の会館の調理室等をご予約いただけると有難いです。

干し野菜講座のテキスト

ご相談の上、干す野菜の種類が決まりましたら、その野菜の干し方をわかりやすく説明したテキストと、ご提案した調理例のレシピを作成し、事前にお送りいたします。

  1. 干し野菜の特徴と自家製で干し野菜を作ることのメリット
    長期保存ができることでお野菜を無駄にしないだけではありません。
    干し野菜の持つ大きな力をわかりやすく説明しています。
  2. 野菜によって違う干し方
    ・対象となる野菜に適した干し方、約5種類の方法に分けて説明
    ・講師が対象となる野菜を実際に干し、干し上りまでの工程をイメージしやすいよう写真を使って説明しています。
  3. 干し野菜の注意点と保管方法の説明
    ・どの干し野菜、干し方にも共通するポイントと適切な保存方法を説明しています。
自家製干し野菜 干し方編 テキストの一部
  1. 調理編のテキスト
    干し野菜の調理は定番の煮物だけでなく、和洋中エスニック、サラダ、スープ、炒め物など、いろいろな料理でその魅力を発揮します。
    ・干し野菜、乾物レシピが健康に貢献する大きなメリット
    ・従来の乾物料理の常識を覆す戻し方やレシピ
     を実際に作った調理の写真をもとにわかりやすく説明しています。
自家製干し野菜 調理編 テキストの一部

・講座が終わった後も干し野菜生活に参考にしていただける内容です。
講座の実施前に、オリジナルのテキストをメール等でお送りいたします。
・ご準備して頂き易いよう、材料、調味料、調理器具の詳細リストも合わせてお送りします。

三田市での干し野菜講座の様子

ボランティアグループの方々が10名、一般からの募集で市民の方々が10名、合わせて20名の様々な背景を持つ参加者がお集まりいただきました。

食品ロス削減や食糧問題についての深い関心を持つ方、長期の食糧備蓄に取り組んでいる方など、日々の生活を通してこれらの問題に積極的に取り組んでいる姿勢に、地域に根差した皆さんの多様性をひしひしと感じられるものでした。

ご質問が絶えず、食品の廃棄を防ぐための実践的な方法や、これからの社会に必須の持続可能な食生活についての関心の深さに触れ、こうした皆さんの地域に根差した小さな取り組みから大きな社会変化が生まれるのだと、講師自身が感銘を受けました。

1日目 自分で作る干し野菜講座

さて、1日目は準備されたお野菜を「切って干す」。
自分で作る干し野菜の工程は本当にシンプルで難しいことは何もないのですが、やはりちょっとしたコツ、工夫を知っていると上手く干しあがり、それが「また干してみよう」「今度は何を干そうか」と次への楽しみに繋がります。

初めに、出来上がりを具体的にイメージして頂こうと講師が干した野菜を見ていただきました。

「これは何?」「そちらは〇〇ですね!」「う~ん、何だろう、これ・・・」
とあてっこクイズのように楽しい一時。
最後までどなたもいいあてることが出来なかったお野菜も!

多くのお野菜は「切って干すだけ」
でもザルに並べる前のちょっとしたコツをお伝えしながら、皆さんとどんどんお野菜を切っていきました。

「切って干すだけ」 「切ってアクを抜いて干すもの」 「さっと火を通してから干す方がよいもの」
などいくつかの方法に分けてお伝えしました。

皆さんベテランの主婦でもあり、講師がいろいろお伝えしている間にも手を休めることなく、かなりの量の野菜が手際よくかごに並べられていきました。

今回はコミュニティハウスの調理室での講座でしたので、皆さんの自宅に各自持ち帰って干していただく段取りになり、持ち帰りやすいよう写真のようなA4ファイルのバスケットをたくさん用意していただきました。

切り干し大根など干し始めは広げやすい容器が便利で、ザルでなくてもこのようなバスケットも重宝します。

お野菜によっては写真のような小物干しピンチや針金ハンガーも便利です。

すべて切って無事並べ終えました。
10日後の干し上りにワクワクします!

・自家製で干し野菜を作ると残ったお野菜を無駄なく保存することができ、普段の生活から食品ロス削減に大きく貢献することができます。
・常温で長期保存(6か月以上)できるので冷蔵庫にスペースの余裕ができ、使われる電気エネルギーの節約になります。
・少しづつでもいろんな種類のお野菜があると、非常時や買い物に行けない時でも栄養をバランスよく摂ることができます。
・少人数の家庭では食べきれない大型野菜も、干しておけばいつでもすこしづついろんな種類のお野菜を食べることができます。

2日目 調理編

干し始めたあくる日から雨が続きましたが、皆さん乾燥した室内等で、さらに扇風機の風を当てるなど工夫が功を成し、講師の心配をよそに順調に出来あがったすばらしい干し野菜が会場に届いていました。\(^o^)/

2日目は干し上がったお野菜を使っての調理編です。

乾物の調理と言えば「煮物」
真っ先に切り干し大根やひじきの煮物が思い浮かびますね。

今回はちょっとした工夫で無限に広がる干し野菜クッキングの魅力をお伝えしようと、和洋中エスニックにわたる6種のメニューを提案し、皆さんと共にワイワイ楽しく調理しました。

・ほっこりお馴染みの炊き込みご飯と汁物

・戻し方も皆さんびっくり割り干し大根の炒め物

・干し野菜には向かないと言われるじゃがいもを干してペルー料理に挑戦

・干し野菜はエスニック味と相性が良いのです。干し人参と切り干し大根のサラダ

・干したレタスの味わいが格別のスープ

上記の写真はテキスト用に事前に講師が調理したものです。
(レシピの一部の出典はDRYandPEACE 「乾物マジックレシピ」より」


当日は試食を楽しみに皆さん興味津々で取り組んでいただけました。

もちろん調理例だけでなく、最もお伝えしたいことは自分で干し野菜を作るメリットと干し野菜や乾物がもつ大きな力です。

干し野菜のレシピを普段の食事に取り入れると料理の巾が簡単に豊かに広がります。
・戻す時間が面倒? いいえ、10分から15分で戻るものも多くあり、反対にじっくり戻すことで時短につながることも。
・調理は包丁まな板要らず! 洗い物も少なく時短と貴重な水が節約できます。
・干し野菜は干していないお野菜に比べて量を食べることができ、食物繊維がしっかり摂れます。

講座を通じてお伝えしたいこと

開催した「自家製干し野菜講座」、参加者の方々のご尽力で楽しく充実した講座になりました。
この記事では実際の講座を例にとり、流れをご紹介いたしました。
講座開設をご検討中の方に参考になれば幸いです。

自家製の干し野菜や乾物を普段の生活に取り入れることはちょっとしたきっかけがあればとても簡単にできます。でもお伝えしたいのはその簡単で小さな習慣が、知らず知らずのうちに大きな問題に立ち向かう手段になることです。
「冷蔵庫で萎びてしまう前に干してみる」という小さな行動が、ゴミの削減、食品ロスの削減、エネルギーの節約、そして非常時の備えとしての力を持つことを、肩ひじ張らずに楽しくお伝えしていこうと思っています。

まず、「ゴミの削減」。
日常の食材を干して保存すれば、余った野菜がゴミになることが減り、同時に食品ロスも減少します。
食材の有効活用は地球にやさしく、私たちの小さな努力が大きな影響をもたらすのです。

次に「エネルギーの節約」。
干し野菜は冷蔵庫の電気代を節約できる上、奥に忘れられてしまうこともありません。
小さなことかもしれませんが、積もり積もれば大きな差になることでしょう。

そして、今の世界が抱える大きな課題への寄与。
CO2削減や非常時の保存食としての利用は、私たちの生活が地球環境に与える影響を軽減し、また備えあれば憂いなしという心強い支えにもなります。

繰り返しになりますが、小さな習慣が私たちの生活が抱える様々な課題に向き合う一歩になることをお伝えできたらと思います。
何よりも大切な日常がより持続可能になるよう、一緒に手作りの干し野菜を作ってみませんか。

自家製干し野菜講座

 zoomを使って全国どこからでも受講していただけます

 お1人様からご家族やお友達とご一緒に

 2回の講座です。
  1回目は実際に干し野菜を作ります。約90分
  1週間から10日後の2回目の講座で、干し上がったお野菜を使って調理します。約90分

 基本の大根以外にお好みのお野菜、ご希望のお野菜、ご興味のあるお野菜を事前に相談してプランを作り、
  調理もご家族の好みに合わせて考案致します。
  お野菜や調味料は各自ご用意ください。

 日時もご都合の良い時間をお聞きし、ご相談の上設定致します。

 料金は参加人数、お野菜の分量によってご相談の上お見積もりいたします。
  例:3人のお友達同士(3家族)のご参加 1回約120分 ¥15000前後/1回
  ご家族お2人~3人で参加(1家族)1回約90分 ¥10000前後/1回
  お1人で参加 1回90分 ¥5000前後

  すべて1回目の講座後、2回目終了まで質問し放題。

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・あっと驚く目からウロコの乾物レシピ
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